抒情とモダンと日だまりと


和歌山県立近代美術館で開催の恩地孝四郎展を見に行きました。
テレビで紹介されていたのを見て、ぜひ行きたい!と思い、
電車でコトコトとプチ旅行してきました。
和歌山城すぐそばにある美術館はかなり大きくて開放的な建物、
黒川紀章氏の設計とのこと。
中にはおしゃれなカフェやショップもあって、長居したくなる感じです。



展示は初期の大正モダンな版画からはじまり、
いろんな表現の木版を見ることができますが、
その頃から日本最初期といわれる抽象的な表現をしてることに驚きました。
どれも今見ても鮮烈で、でもどこか優しさやあたたかみもあって、
なつかしいような不思議な感じがしました。


他にも展示は装丁・ドローイング・油彩など本当に多種多彩で、
作家のさまざまな面を見ることができました。
特に、晩年の抽象的な創作版画の作品の数々は圧巻でした。
画面にそれほど強い色や複雑な形があるわけではないのに、
心をぐっとつかまれるような感覚は何なのか。。。
みずみずしい色や形は時代や言葉を越えていて、
海外に多くの作品が所有されているというのも納得です。


予想以上に見ごたえがあり、和歌山城に立ち寄る時間もなく、
ずっしり重い図録を抱えて再び電車でコトコト・・。
天気のいい5月の一日でした。