ほこり色のクリーム


兵庫県立美術館で開催中の、ジョルジョ・モランディ展へ行きました。
なんとなく白っぽい静物を描く人、くらいのイメージしかありませんでしたが、
今回たくさんの作品を一度に見られたことで、
彼の作品の古典と斬新さ、冷静な中の情熱といった
いろんな味わいが感じられるようになりました。
一見とてもシンプルなようで、実は計算されじっくりと演出されたモチーフ達。
自宅のアトリエにはたくさんのお気に入りのコレクションがあって、
家の人は、絶対に埃をはらったりしてはいけなかったとか。
埃も重要なアイテムだったんですねー。
あのクリームのようなミルクココアのような(時期的にそう見える)
落ち着いたトーンを見つめると、
ストイックに自分の描きたいものを探求し、
突き詰めていった熱が、じわーっと染み込んでくるようでした。
君は本当に描きたいものを描いてるのか?って
問いかけられてるような気も。。。
帰りの夕暮れに浮かぶビルの景色も、モランディっぽく見えました。


2016


あけましておめでとうございます。
家族が次々と順番に胃腸炎で倒れていくという
地獄絵図のような年末年始を過ごしていましたが、
きっと去年一年分のデトックスだったということにして、
気分新たにスタートしたいと思っています。



神戸市消防局発行の機関誌『雪』1月号にて紹介していただきました。
「神戸・人・文化」のページに、絵に関するエピソードなどを書いております。
載せていただいておきながら、
昨年後半は実はあまり文化というものに関わっていなかった私ですが、
今年はこれを起爆剤に、もう少し関われるようがんばりたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

山、アートに出会う


この秋、念願の六甲ミーツアートに行ってきました。
スタッフをしている友人に一緒に連れて行ってもらったので、
全作品を解説付で鑑賞することができました。ありがとう〜!



六甲山上ケーブルで山に登ると・・・さ、寒い。。。
街から30分とはいえ、山の上はやはり寒かった。
まずは六甲山上ケーブル駅から、すでに作品がたくさんあります。
ケーブル駅の建物自体もレトロな近代建築で、テンション上がりまくりです。



オルゴールミュージアムへ。
建物の中と外の庭に、それぞれその雰囲気に合った作品が展示してありました。
気になったのは、陶器の小さなイソギンチャクがたくさんたくさん
木の幹や地面にちりばめられた作品。
森のキノコやカビのように自然で、でもやっぱり不思議で・・
展示に時間かかったろうなあとか、全部回収するのは大変だ、とか
そんなことまで頭にめぐることも含めて、とても印象的でした。



高山植物園。ここにも周りの植物と絶妙に溶け込んだ作品がいろいろありました。
そもそもお天気がよくて、山の植物もいい具合に枯れてきていて、
引きこもりがちの私にとってはそれだけで目に染みるほどの美しさなのですが、
やっぱりそこにちょこっとアートのスパイスがあるということが
いいのでしょうねー(そうでなければ足を運ばなかったろうし・・・)。



旧・六甲山オリエンタルホテル、風の教会、六甲スカイヴィラ
ここは、建物も活かされていて独特の雰囲気でした。
安藤忠雄設計の風の教会は、空間自体がさすがの風格。
閉館されてるのはもったいないですね〜。




カンツリーハウス。広い芝生の斜面に大きな作品が配置されていて、
どれも見ごたえがありました。
木のテントのようなものの中で、ステンドグラスのような部分を通して
刻々と変わる日光の色が映し出される作品が好きでした。
風が奏でる弦楽器は、微風のため何も聴こえず・・・残念。



六甲有馬ロープウェイへ。ここにもすごい作品がありました。
くもの巣のような鳥の巣のような物体がロープウェイにからみついている!
有機的な麻ひも?のようなものと、科学的な白いビニールひも?を使っているのも
意味ありげです。この作品は製作中だったらしく、
最終日に完成する予定だったそう。その過程もずっと見たくなりました!



だんだんと日が暮れてきて、寒さも厳しくなってきました。
友達からもらったカイロを握りしめて、六甲枝垂れへ。
六甲枝垂れもずっと気になっていましたが、念願の初訪問です!
枝垂れっぷりが夕焼けに映えて、ふもとの景色も茜色がかって、うつくしい〜。
ただ、寒い、寒い。。。そら、中で氷も作れるわという感じ。
ガーデンテラスでしばし暖をとり(友達は黒豆ソフトを完食)、
そのうちとっぷり日も沈んだので、六甲山からの夜景も堪能しました。



暗くなると作品がライトアップされて、
最後の最後まで楽しむことができました。
結局友人のガイドのおかげで全作品を制覇できたわけですが、
予想以上にハードで、充実した一日となりました。
ゆる〜い気持ちで行くつもりだった私一人では到底無理だったでしょう・・・
下界にたどりついた私達は、熱々のうどんをすすりながら、余韻にひたったのでした。


おせんす


このたび、茶扇子に絵を描かせていただきました。
茶扇子は、お茶席で使われる道具で、普通の扇より小さめのものです。



何気なく引き受けた依頼でしたが、実は初めてのことだらけでした。
まず、今まで絵をプリントしたもので箱などを作ったことはありますが、
絵そのものが道具として使われるようになるということ。
和紙(しかも扇形)であること。両面絵を描くこと。
折りたたまれること。中に扇の骨を入れてもらう作業があること。



ほぼほぼ初めてだらけの中、慎重に絵を描きあげ、
職人さんのお力もあり、なんとか形にしていただくことができたようです。
ちなみに通常は閉じられた状態で使われることがほとんどのようですが、
閉じた状態でも色がはっきりして分かりやすくていい、とのお言葉をいただき、
ひとまず役目は果たせたかなあと思っています。



折りたたむことを一応考慮して、いつもより薄めに塗っています。
モチーフは、いただいたテーマが「28」だったので、
28→ にわ→ にわとこの花。
裏面はこんな感じ。
「にわ」つながりで、東福寺の方丈庭園をイメージしています。



長く愛用していただけますように・・・

静岡を訪ねて


4年ぶりに静岡を訪れました。
ここに住む家族が増えたことで、久しぶりなのになんだか
この土地も私のふるさとの一つなんじゃないか、という気がしてきました。
もしかしたら、いつの日か私も静岡に住むことになるのかも・・不思議。



小さい甥っ子姪っ子たちに会うことが第一の目的だったので、
ほとんど出歩いていないのですが、
泊まったホテルの近くにレトロな建物を見つけたり
母とお天気のよい駿府城公園を散歩したり、
ほっとする時間を過ごせました。
お月見の時期でおおきなお月さまも見えました。
真珠のお皿よりは、金のかがみという感じの。
離れてても、家族を見守ってもらえますように。


終了しました


ヨハクさんでの展示が終わりました。
GWの連休、お菓子の会もあって大勢のお客様がお立ち寄りくださり、
絵を使った貼り箱もご好評いただきました。
本当にありがとうございました。


「甘いもの、旨いもの の会」ことお菓子の会では
朝の研究所さん、おこあんさん、粉匙さんという3組の作家さんによる
魅惑的なお菓子がお店に並び、私も引き込まれてしまいました・・
手段は違えど、好きなものを作りたい、伝えたいという想いはたぶん同じ。
私もより人を惹きつける表現をしたい・・・
そんなことも感じながらお菓子をほおばっておりました。


しとしと雨の日、蒸し暑い日、風がさわやかな日。
阪急電車の音を間近に聞きながらお店にいると、
何気ないことが一番充たされていて、一番難しいことだという
不思議な気持ちになりました。
私なりに挑戦の多かった展示だったからこそかもしれません。
美しい光を映す壁、落ち着いた空気、そしてたくさんのお話をしてくださった
ヨハクさんに本当に感謝します。ありがとうございました!





おりかえし


ヨハクさんでの展示、早くも後半にはいりました。
今回は少し雰囲気の違う絵にも取り組んでおります。
阪急電車の音を近くに聞きながら、流れるゆっくりした時間。
絵をモチーフに発注していただいた箱たちとともに
お待ちしています。
在廊日は、5/3(日)・/4(月)・/6(水)の予定です。